30歳までに読書1000冊

読書1000冊を読んだ先に何かがある…30歳のタイムリミットまでの読書記録です

【3冊目】内なるやる気を引き出す20世紀を生き抜くための新しい教科書 『モチベーション3.0』(ダニエル・ピンク著)

タイトル通りモッチベイションに関する本です!骨がある本でしたよ!!出張の移動中にコツコツ読みましたァん!

 

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こんな人は読んでみて

・入社した時/異動した時はやる気があったのに今はなんだか精が出ない人

・会社の賞罰制度に疑問がある人

・仕事を楽しんでやりたいと思っている人

 

 

我々は「アメとムチ」で発展してきた

人間の歴史の初めの方、今から5万年前程では、「生き残ること」が第一の行動原理でした。

当時の人々では狩猟採集によって生活していました。食料を求めてサバンナを歩き回ったり、危険な肉食獣から身を隠したりなど、最低限生きるための生理的欲求によって自らの行動が決められていました。

この至って根源的でシンプルな人間欲求を本書ではモチベーション1.0と呼称しています。

 

それから月日を経て、人間がより高度な社会を形成するに伴って、上記の生理的欲求を優先させるだけでは問題が生じ始めました。

おなかが減ったからと言って他人のパンを盗んだり、他人の嫁にちょっかいを出していては同じ集団を形成することが難しくなってきます。

そのために人間は自らの生理的欲求を抑制する手段として、人間自身によってルールを生み出しました。それは善き行いには報酬を与え、悪い行いには罰を与えることでした。

報酬を求める一方で、罰は避けたいという動機付けを根幹とするルールは、

本書ではモチベーション2.0と呼称されており、様々な場所・場面で多大なる効果を発揮しました。

特に産業分野では、信賞必罰のルールは労働者の節度あるふるまい(正しい時間に、正しい方法で、正しく仕事をする)を奨励し、工場の生産性は増加し、我々の生活を豊かにしました。

 

こうして長きに渡りモチベーション2.0の報奨制度は我々の生活を支えましたが、20世紀が進むにつれ、経済が著しく複雑化するに伴い、モチベーション2.0にも問題が出てきました。

 

「アメとムチ」の弊害

 上記のように、旧態依然とした管理制度では、善き行いには報酬を与え、反対の場合には罰を与える外発的動機付けによって労働者のやる気をコントロールしていました。

しかし、この管理制度も万能ではありません。例えば下記の事例では報酬を与えることがむしろマイナスの結果となることが指摘されています。

 

本書に出てくる「ロウソクの問題」による実験では、報酬有りのグループと報酬無しのグループでは、報酬無しのグループの方が問題解決までのスピードが明らかに早い傾向にありました。

目先の報酬が被験者の視野狭窄を誘い、問題解決までの道のりを阻害したのです。

一方、報酬が効果的に働くのはひらめきや思考の転換が必要とされない「解決の順序が決まっている」場合であるそうです。

 

報酬がある場合より、ない場合のほうが成績が良くなるという今までの常識と外れるような結果となった要因は、下記の人間の内なるやる気の存在です。

 

イノベーションの時代には人間に本来備わっている”やる気”(モチベーション3.0)を引き出すことが重要

 筆者は人間には外から強制されなくても自らで問題に取り掛かろうとする内なるやる気(内発的動機付け)が存在しているとしています。つまり、生理的欲求(1.0)でも外発的動機付け(2.0)でもない新たな動機付けであるモチベーション3.0がこれにあたるとしています。

 

内発的動機付けとは「やりたいからやる」という、外から強制されない人が本来持っている内なるやる気のことです。

例えば一流のアスリートなど、お金のために厳しい練習に耐えてやっている、という人は少ないと思います。

なぜやっているかと問われれば「今よりも上手くなりたい」とか「高みを目指したい」という内なるやる気に支えられている場合がほとんどです。

 

こういった自ら湧き出てくるやる気を本書ではモチベーション3.0と定義しています。

 

その内なるやる気を最大化する仕組みを作ることが、私たちの生活を取り巻く環境に適用していくために最適なエンジンであると筆者は説いています。

 

 

 一人でもできる”やる気”を引き出す方法

本書では一人でも今からすぐできるモチベーションを引き出すためのツールが紹介されています。

一例を紹介すると自分自身の勤務評定を行うことです。

会社の制度でも半年に一度の頻度で上司から自己の勤務評定についてフィードバックを受ける機会がありますが、半年というスパンは長すぎるし、もう終わっている業務に対しての評定となりますので自己の熟達への指針とするには難しい面があります。

自分自身の評定では、まず目標を設定します。次に毎月、自分に対して評価を下します。

目標に達していない点はどこか?もっと上手くやるためには何ができたか?スキルを上げるためのツールには何があるか?など自分自身へのフィードバックを行い、改善を目指していきます。

 

(作成時間220分)